2026/06/18 21:05
① レコード時代(1950〜1980年代)
提供側の考えは「作品を売る」ことが中心でした。レコード会社の収益源は盤の販売。そのため、
- ジャケット制作
- ライナーノーツ
- アーティスト育成
- アルバム制作
に多くの予算を投入しました。この時代は「アーティスト>楽曲」で、1枚のアルバムを作るために何年もかけることも珍しくありませんでした。
② CD時代(1980〜2000年代)
ここで大きな変化が起きます。CDは高音質化だけでなく、レコード会社にとって非常に利益率が高かったのです。製造コストはレコードより低い。しかし販売価格は高い。さらに既存のレコードユーザーに「もう一度同じ作品を買ってもらえる」という巨大な市場が生まれました。
例えば
- The Beatles
- Eagles
- Neil Young
- Bob Dylan
などの旧譜が大量にCD化されました。業界の意識は「作品を再販売する」方向へ向かいます。
③ MP3時代(1999〜2010頃)
転機はNapsterでした。音楽業界は衝撃を受けます。
消費者は「音楽が欲しい」のではなく「曲が聴きたい」ことが分かったからです。業界は当初デジタル配信を嫌いました。理由は簡単でCDが売れなくなるからです。
しかし違法ダウンロードが止まらない。そこで登場したのがApple のiTunesでした。
④ ダウンロード時代
iTunesの発想は革命的でした。
それまでアルバム3000円だったものが1曲150円〜250円。業界は仕方なく受け入れます。しかしここで問題が起きます。
ユーザーはヒット曲だけ買う。アルバムを買わなくなる。
⑤ サブスク時代
そして業界が行き着いた答えが「所有から利用へ」でした。
ここで提供側の考えは大きく変わります。
昔
1枚売って終わり
現在
毎月料金を払い続けてもらうです。
音楽会社からすると
サブスクは理想的でした。
理由
- 毎月収入が入る
- 在庫不要
- 配送不要
- 世界同時展開可能
- 利用データが取れる
つまり音楽業界は作品販売業からサービス業へ変わったと言えます。
面白いのはここから
実はレコード復活も業界が予想したものではありません。
提供側は「便利になれば物理メディアは消える」と思っていました。
ところが2010年代以降、若い世代がレコードを買い始めました。
理由は音質だけではありません。
- 所有できる
- 飾れる
- アーティストを応援できる
- データではなくモノが欲しい
という価値です。
そして今
便利さの先に、再び「所有する喜び」を求める人が増えている。だからレコードは生き残ったと考えます。2025年、アメリカのレコード市場は大きな節目を迎えました。
米国レコード協会(RIAA)の発表によると、2025年のレコード(Vinyl)売上高は10億ドル(約1,500億円)を突破。これは1983年以来、実に40年以上ぶりの出来事でした。さらにレコードは19年連続で成長を続け、販売枚数は4,680万枚に達し、CDの2,950万枚を大きく上回りました。日本国内ではまだこの活発な動きは感じられないですが、通常であればアメリカに遅れる事、数年で日本でも同じような現象が起こると考えられますね。音楽の主役は現在もサブスクリプションサービスですが、その一方でレコードは「音楽を所有する喜び」や「ジャケットを楽しむ文化」を象徴するメディアとして復活を遂げています。
